常滑の歯医者 久野歯科医院です
皆様に歯科の役立つ情報をわかりやすくお知らせします
歯髄壊疽の根管治療とウオーキングブリーチについて
患者様の概要
矯正歯科治療後の経過観察と定期健診を当院で受けていただいているY.N様が上顎左側側切歯の痛みにより来院されました
レントゲン診査では歯根の先端部に大きな透過像が認められます
強い打診痛、接触痛、根尖部の圧痛、自発痛がありましたが歯髄壊死から壊疽に進行したものと診断しました
処置方針
歯髄壊疽で歯髄の反応がないため確実な診断を兼ねて局所麻酔をせずに処置をすすめます
根管内の内容物を除去し根管治療をおこないます
根管治療完了後の歯冠色の変化については患者様の要望・希望に沿い、対応することにしました
治療経過1
速やかに根管内の内容物を取り除き、根管内の拡大と洗浄を行いました
根管内からの排膿、出血、壊疽臭の無いことを確認し根管内に充填剤を充填しました
ウオーキングブリーチのための薬剤を使用し効果を十分得るために歯冠部から歯頚部を超えて根管内の充填剤を除去します
治療経過2
根管治療後の歯冠色の暗い変色を改善するためにウオーキングブリーチを行いました
治療経過3
ウオーキングブリーチが完了しました
歯冠部の髄腔部には白色の傾向の強いレジン(プラスティック)を使用して修復しました
ウオーキングブリーチは決して新しい審美修復ではなく歯質の脆弱化や歯冠色の後戻りなどデメリットはありますが、歯質(エナメル質)を削去せずに行える処置でミニマムインターベイション(MI:最小限の処置)に繋がるものとも考えられます
後戻りに対してはやや過度に漂白する(オーバーコレクション)と定期健診で対応します
久野歯科医院
院長 久野昌士