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目立たず無理せず背伸びせず 常滑の歯医者 久野歯科医院です

皆様に役立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします

 

色合わせ(シェードテイキング)の難しさ、テクニシャンとの情報の交換、伝えることの難しさ、コミュニケーションの取り方、試料採取の方法について

 
前歯や笑うと見える小臼歯部までのセラミクスを使用した審美修復を行うに際しては、歯にぴったりとフィットしていることはもちろんの事、患者様ご自身のお口の中の歯の色とマッチしていなければなりません。
 
当院ではおそらく、他の歯科医院様と同様に患者様のセラミクスを使用した修復物の色合わせには歯科技工士の立会いの下、歯科技工士が自ら一眼レフのデジタルカメラを用い、歯の色見本(シェードガイドといいます)を対象となる修復物の周辺に写し込んで技工作業の参考としています。
 
しかし写真を参考にすることがすべてよいとは限らない事態もあると思います
 
理想的には一回の色合わせでお口の中の患者様ご自身の歯の色とマッチすればよいのですが不満足であれば調和するまで試適、調製を繰り返し行います。
 
一例を示します
 
その1
 
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当初、左上顎の黒く変色した側切歯(わきの前歯)の再修復がご希望でした
 
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古い修復物を外し仮の歯(テンポラリィークラウン)を装着しました
 
 
 
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最終修復物となるはずでしたが、歯の母体の色に配慮を欠いたため暗い色彩となっています
 
右側のわきの歯(側切歯)の色彩とずいぶん異なっています
 
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その後、上顎左側中切歯の再修復を患者様の希望で行いましたが、今度は深みの無い単一な「白色」の色彩となってしまいました
 
 
テクニシャンとのコミュニケーションを幾度も重ね最終修復物(ファイナルレストレーション)を装着しました
 
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患者様には予定の治療のための来院回数が増えてしまい、ご迷惑を掛けました
 
色合わせ(シェードテイキング)の情報伝えるために、一眼レフの解像度の高いデジタルカメラを使用した客観的な資料を提供できたとしても色彩を再現するには高度な技術が必要です
 
歯の切削量を多くすれば色彩の再現は容易になりますが、限られた条件の中で色彩の再現をするためにはより高い技術も必要です
 
その2
 
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患者様は上顎右側中切歯の変色を気にされ来院されました
 
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形態修正を行いウオーキングブリーチを行いましたが十分な漂白効果が得られずオールセラックによる歯冠修復を行いました
 
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片側の中切歯のみの審美修復は他の前歯の色彩とマッチさせるのが非常に難しく思います
 
これが反対側の中切歯を含む数歯の審美修復になるとお口の中の残っているご自身のノンカリエスの天然歯にマッチさせることがより容易になると思います
 
テクニシャンの方に正確な歯の色彩の情報を伝えるためにテクニシャンの立会いの下、高解像度の一眼レフのデジタルカメラで撮影しても歯の色彩を再現するには高度の技術とセンスが必要であることには変わりはありません
 
今後は装着時にも修復物を調製した歯科技工士の方にも立ち会ってもらうことも考えています
 
再現された歯の色彩に責任を持ってもらいたいからです
 
久野歯科医院
 
院長 久野昌士
 
 
 

目立たず無理せず背伸びせず 開院116年を過ぎました 常滑の歯医者 久野歯科医院です

皆様に歯科の情報をお知らせします

新しい画像診断装置について

従来の画像診断装置を新しい機能を加えたものに交換、設置しました

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新しい画像診断装置(CT)で何がわかるか?

・親知らずの位置が立体的(3次元的)に把握できる

・血管や神経の重なりの程度、有無を確認できる

・矯正歯科治療時の埋伏歯、過剰歯などの位置が把握できる

・萌出の妨げとなっている歯牙腫やそのほかの顎の骨の中に発生した主に良性腫瘍の確認ができる

・複雑な臼歯部の歯の根管を正確に読み取ることができる

・歯周病や歯根破折による歯槽骨の吸収範囲を詳しく診査し手術や処置の参考となる

・インプラント治療の際の下顎管との距離や上顎洞の形態の把握が正確にできる

など従来のレントゲン診査では得られにくい情報を得ることができます

また歯科で使用されるコーンビームCTは医科用のCTに比べはるかに被ばく量が少なく、撮影時間も短いです

従来の歯科用レントゲン撮影機器も一新

従来のパノラマエックス(オルソパントモ)線撮影器と歯科用(デンタル)エックス線撮影器も新しいものに交換しました

今まで以上に鮮明なエックス線画像を得ることができます

患者様ご自身のお口の中を見ていただくための口腔内カメラも新しいものに交換し、各診療台にも大型のモニターを設置しました

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当院は開院116年と古い歯科医院です。

しかし少しずつではありますが機材を最新のものに交換し患者様にとりましても、より良い環境となるように改善に努めています

久野歯科医院

院長  久野昌士

 

 

常滑の歯医者 久野歯科医院です

皆様に歯科の役立つ情報をわかりやすくお知らせします

歯髄壊疽の根管治療とウオーキングブリーチについて

 
患者様の概要
 
矯正歯科治療後の経過観察と定期健診を当院で受けていただいているY.N様が上顎左側側切歯の痛みにより来院されました
 
レントゲン診査では歯根の先端部に大きな透過像が認められます
 
強い打診痛、接触痛、根尖部の圧痛、自発痛がありましたが歯髄壊死から壊疽に進行したものと診断しました
 
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処置方針
 
歯髄壊疽で歯髄の反応がないため確実な診断を兼ねて局所麻酔をせずに処置をすすめます
 
根管内の内容物を除去し根管治療をおこないます
 
根管治療完了後の歯冠色の変化については患者様の要望・希望に沿い、対応することにしました
 
治療経過1
 
速やかに根管内の内容物を取り除き、根管内の拡大と洗浄を行いました
 
根管内からの排膿、出血、壊疽臭の無いことを確認し根管内に充填剤を充填しました
 
 
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ウオーキングブリーチのための薬剤を使用し効果を十分得るために歯冠部から歯頚部を超えて根管内の充填剤を除去します
 
治療経過2
 
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根管治療後の歯冠色の暗い変色を改善するためにウオーキングブリーチを行いました
 
治療経過3
 
ウオーキングブリーチが完了しました
 
歯冠部の髄腔部には白色の傾向の強いレジン(プラスティック)を使用して修復しました
 
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ウオーキングブリーチは決して新しい審美修復ではなく歯質の脆弱化や歯冠色の後戻りなどデメリットはありますが、歯質(エナメル質)を削去せずに行える処置でミニマムインターベイション(MI:最小限の処置)に繋がるものとも考えられます
 
後戻りに対してはやや過度に漂白する(オーバーコレクション)と定期健診で対応します
 
久野歯科医院
 
院長 久野昌士
 

歯ならびでお悩みの方へ   久野歯科医院です

了解をいただきました主に常滑在住の患者様の矯正歯科治療の報告をいたします

どのように治療がすすんでいくか、写真を提示して解説していきます

常滑市在住Y.S様 男性 治療報告

 
混合歯列期の治療目標
 
小児は3歳でおおよそ乳歯列が完成して6歳前後で下顎の前歯が乳歯から交換がはじまり、6歳臼歯とよばれる第1大臼歯が萌出してきます。
 
この時期には側方歯は乳歯で混合歯列期と呼ばれています。
 
混合歯列期の治療の目標は
 
・骨格の不正の改善・機能の回復
 
・成長発育に悪影響を与える因子の除去
 
・スペースの管理です
 
患者様の概要
 
知多市在住のY.S様はお母様とともに来院されました。主訴は上顎中切歯の翼状捻転です。
 
翼状捻転とは両側の中切歯が対称的にあたかも羽を広げたかのように回転している状態で「Winging」とも言われています。
 
加えて萌出し始めた下顎の前歯群の叢生が不安であるとのお母様からのお話でした。
 
 
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咬みあわせが深く、過蓋咬合で下の歯は見えません
 
中切歯が翼状捻転(Winging)しています
 
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下顎の前歯に叢生が見られます
 
上顎の犬歯から犬歯までの幅の長さが不足しているため、取り外しのできる床型の矯正装置を使用しファンタイプという装置の付いた拡大床を使用します
 
翼状捻転が患者様、お母様は気になるとのことなので短期的にブラケットとワイヤーを使用します。
 
 
治療経過その1
 
ファンタイプの拡大床を装着の後、拡大のためのスクリューの装置を2週間に1度を目安に回転させ、犬歯から犬歯の幅を広げていきます。(犬歯はまだ萌出しておりません)
 
順調に拡大がすすみましたが中切歯の間が拡がり、隙間が大きくなったことと、主訴である翼状捻転を改善するために1時的にブレースとワイヤー、リンガルボタンなどの固定式の装置を使用して前歯の歯ならびを改善します。
 
患者様やお母様の主訴に対して対応することも必要です。
 
上顎の側方への拡大で下顎の前歯の叢生も次第に改善されつつあります。
 
下顎には拡大床は装着していません
 
 
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治療経過その2
 
主訴の翼状捻転の改善と中切歯間の隙間の閉鎖を行なった後、固定式の装置は取り外してパラレルタイプの拡大床を新しく装着してもらいました。
 
1週間に1度拡大装置のスクリューを専用の器械で回転させ上顎の側方拡大をおこないます。
 
装置が口腔内の上顎にフィットしていることが大切です。
 
・永久歯への交換が順調に行なわれているか
 
・萌出スペースの確保はできているか
 
・悪習癖は発現していないか
 
・下顎の大きさや上下の奥歯のかみ合わせ
 
などに注意しながら拡大を続けたり、拡大を中断したりして治療を続けます
 
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下顎前歯の叢生も改善傾向にあります
 
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治療経過その3
 
乳歯から永久歯への交換がすすんでいます
 
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乳歯から永久歯への交換が行なわれて拡大床が不適合とならないように調整しながら、拡大床をつづけて使用してもらいます
 
依然として咬みあわせが深いので咬合挙上板(バイトプレート)を使用してかみあわせを改善します
 
治療経過その4
 
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乳歯から永久歯への交換がほぼ完了しました
 
混合歯列期の矯正歯科治療の大きなの目的であった
 
・骨格の不正の改善
 
・機能の回復
 
・成長発育に悪影響を与える因子の除去
 
・スペースの管理
 
は達成できたと思います
 
混合歯列期の1期治療がほぼ終了し2期治療を開始する移行期です
 
この時期にもう一度診断を行ない、患者様や保護者の方と相談し希望を伺いながら治療をすすめます
 
治療期間 混合歯列から乳歯より永久歯交換完了まで
 
治療費用 22万円
 
 

目立たず無理せず背伸びせず 常滑市で開院116年の歴史ある歯医者の久野歯科医院です

皆様に役立つ歯科、矯正歯科の情報をわかりやすくお知らせします

部分矯正での隙間の閉鎖とブラックトライアングルの改善

患者様の概要

T,K様は歯周病の定期健診で当院を受診されました

今回は下口唇の口内炎について相談がありました

下顎右側の前歯が唇側に傾斜、突出しているため口内炎ができやすく困っているとのことでした

突出している歯の処置法として矯正歯科治療を望まれていました

お口の中を拝見しますと下顎の右側中切歯が下口唇にあったているのが判明しました

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処置方針

突出している下顎右側中切歯を歯列弓に取り込むには歯を移動させるスペースがありません

口内炎の原因となっている突出している下顎右側中切歯を抜歯してわずかに残る隙間を部分矯正にてしぼり、スペースクローズを行うことにしました

突出している下顎右側中切歯は神経(歯髄)が除去されており根管治療がされておりました。そのため、歯冠部は変色しております

歯の形が方形でないためブラックトライアングル(歯と歯の間にできる隙間)ができる可能性が高く、ブラックトライアングルへの対応はダイレクトボンディングにて歯の形を整えて対応することにしました

治療経過:その1

突出している下顎右側中切歯を抜歯しました

抜歯により隠れていた隙間を犬歯から犬歯にブラケットを接着し、ワイヤーにてスペースクローズを試みます

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治療経過:その2

スペースクローズが完了しましたが予想通りブラックトライアングルが生じました

歯と歯の隣り合ったブラックトライアングルの部分をダイレクトボンディングにて改善します

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治療経過:その3

口内炎の主な原因であった突出した前歯の抜歯を行い、スペースクローズを部分矯正で行い、ブラックトライアングルの部分をダイレクトボンディングにて改善しました

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一連の治療の流れを途絶えることなく、1人の歯医者が治療することも当院の強みであると思います

関連記事:審美歯科

ブラックトライアングルとは その対応と治療例について

 

 

常滑で116年の歴史のある歯医者 久野歯科医院です
 
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
 

オールセラミッククラウンで上顎6前歯を修復したK.A様の治療報告

 
患者様の概要
 
K.A様は上顎の犬歯から犬歯までの前歯の見栄えが悪いことを主訴に来院されました。
 
現症は歯と歯ぐきの境目の縁が下がり、2次むし歯(2次カリエス)の部位もみうけられます。
 
お話をお伺いすると最初に高校卒業時にやや反対咬合であったものを正常なかみ合わせにするためにお近くの歯医者さんで前歯を修復したとのこと。
 
当時主流であった陶材焼付け冠(セラモメタルクラウン)で修復されたようです。
 
その後、ご結婚され、側切歯と中切歯の4歯を再治療されました。
 
再治療から28年が経過しているようです。
 
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処置方針
 
基本的な検査の結果、歯周病も軽症の歯肉炎がある程度で奥歯にもむし歯がなく、かみ合せも安定しているため、歯肉炎の治療と並行して前歯の再治療を行なうことといたしました。
 
治療経過1
 
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今までのオールセラミッククラウン、セラモメタルクラウンを1歯づつ取り外して歯肉と歯の縁をあわせた仮歯をいれていきます。
 
歯肉が退縮(さがって)して歯の縁をあわせているため、歯が長く感ぜられ、審美的にはよい状態ではありません
 
1歯づつ、むし歯がないか、むし歯が進行していないか診査を行い、2次むし歯があれば丁寧にむし歯の部分を取り除きます
 
犬歯から犬歯までの6前歯、すべての歯のむし歯の治療が終わった時点で、仮歯を全体の歯の形をバランスの良いものに変えていきます。
 
併せてセルフケアの指導とともに歯周病の治療をすすめます。
 
必要があれば何度も仮歯の形を変えて作り直しをします。
 
歯肉の安定していることもとても大切です。
 
歯肉の状態の良し悪しの判断で歯ぐきの経年的な下がり具合が変わってきます。
 
治療経過2
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6前歯を1歯づつ歯肉に近い辺縁をあわせ、歯の形を修正しながら最終の被せ物に歯の色と材質以外を除いて近づけていきます
 
治療経過 3
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KA様は最初の上顎前歯の修復から長期間、再治療の上顎前歯の修復から28年の年月が経過しています。
 
本来ならばご本人の加齢を考慮すれば,明度を低く,彩度を高くし色相はオレンジ、黄色系統で歯冠色を技工士(テクニシャン)の方に指示を出すのが通例だと思いますが、ここではアンチエイジングの観点から、ご本人の希望もあり、歯冠色を白くすることにいたしました。
 
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今後は下顎前歯のステイン、着色等を取り除き口腔ケアのモチベーションを高め、長期の修復物の維持に努める予定です
 
 
 
 

常滑で開院116年の歴史ある歯医者 久野歯科医院です

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前歯の1歯の入れ歯は審美的にも機能的にも満足を得るのが難しい

患者様の概要
前歯の入れ歯についてご相談の患者様が来院されました
 
前歯の部分入れ歯が、はずれやすいことが主訴でした。
 
前歯のみの部分入れ歯は一般的にはずれやすく、また異物感がでやすく、歯のない隣の歯に支えを求めるクラスプという「バネ」が必要で審美的に劣るため治療を担当する歯医者も、治療を受けられる患者様にとっても多方面で取り扱いのよくない入れ歯のひとつに上げられます
 
歯を失った原因は歯根破切によるポスト部分の脱落で歯のない部分の片方の歯は前装冠が装着され、もう片方の歯はむし歯のない健全な歯となっておりました。
 
レントゲン撮影を行いレントゲン写真を見てみますと前装冠のほうは歯根がやや短いことがわかりました。
 
ポストタイプのメタルコアに前装冠が装着されております。
 
患者様にはブリッジタイプの固定式の入れ歯を何故受け入れていただけなかったのか。その理由をお尋ねしました
 
「前装冠ははずしたくないし、むし歯のない歯はできればけずりたくない」とのことでした。
 
処置方針
 
患者様には
 
・長期の確実な予後は望めない
 
・一般的な修復より強度的に劣る
 
・食べかすが部位に残るのでさらなるセルフケアが必要である
 
・あくまでも一時的な処置である
 
などの短所と
 
・左右の歯をほとんどけずらない
 
・取り外しのわずらわしさはない
 
・歯のない両隣の歯にバネがないので部分入れ歯に比べ自然観はある
 
などの長所を説明してプラスティックの人工歯を両隣の歯に接着技法にて、つけることにしました
 
治療経過
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欠損部位の両隣の歯に酸処理、表面処理を行い、接着力のつよい樹脂系の接着剤でプラスティックの人工歯を接着します
 
歯周病の基本検査を行い中等度以上の歯周病に罹患されておりましたので歯周病の基本治療を継続しながら、安定的な経過を観察することにしました
 
現在のところ1年5ヶ月ほど、はずれずに経過しています。
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 
常滑市の歯医者 久野歯科医院です
 
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
 
咽頭がんについて
 
咽頭はお口(口腔)と食道を結ぶ位置にあり、消化管の一部を形成していますが、鼻腔と喉頭とを結ぶ気道の一部として機能しています
 
咽頭に発生するがんは部位によって上、中、下の咽頭がんに分けられます
 
上咽頭がんは上壁の頭蓋底、後壁、耳管開口部の側壁に発生します
 
中咽頭がんの多くは口蓋扁桃に発生し軟口蓋の上壁や側壁(口蓋弓)、後壁の発生は少数です。
 
中咽頭は口腔内から一部分を見ることができ、歯科と耳鼻科領域と重なります
 
また下咽頭がんは、梨状陥没、輪状軟骨の後面や下咽頭の後壁に発生します
 
咽頭がん、喉頭がんは頭頚部外科で診察・処置がおこなわれます
 
咽頭がんの症状
 
中・下咽頭がんの初期症状は咽頭の異物感がみられます
 
その後、潰瘍が形成されると咽頭痛や嚥下痛、耳の放散痛、唾液の分泌過多などが現れてきます
 
咽頭がんの診断
 
原因不明の頚部のリンパ節の腫脹や消化管の内視鏡の検査中の観察などで発見されることもあります。
 
診断には消化管の生検と同様に内視鏡にて生検がおこなわれ病理組織により確定診断がくだされます
 
早期に発見されれば,食道や胃と同様に内視鏡による治療が可能です。
 
発見が遅れれば他のがんと同様に命をおびやかすことになります。
 
原因不明の首のリンパ節の腫れや飲み込むときの痛み、唾液が異常に多く出るなどの症状があれば街の耳鼻科や歯科から頭頚部外科へ紹介できます
 
消化管の入り口のお口から出口の肛門までの定期健診は同等に軽んずることなく、とても大切です
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 

目立たず無理せず背伸びせず 常滑市の歯医者 久野歯科医院です

2023年9月で久野歯科医院は開院116年となりました

 
このように歯科医療に長く携わって来られたのは当院を信頼してご来院いただいた患者様方のおかげであると思っております。
 
今回、当院の照明をすべてLEDへの変更をお願いしたりネット環境の整備や警備について電気関係でお世話になっている,野田電化センターのご主人様より当院の貴重な写真資料をいただきました。
 
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出展は大正4年発行の「愛知県知多郡西海岸写真帳」に載っているもので、久野歯科医院の治療室と待合室の室内写真と私の祖父の久野儀三の写真が載っております
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歯医者の黎明期の写真で当時の様子がよくわかるものです
 
歯を切削する器械はもちろん電動のものではなく足踏みのもので、局所麻酔も不十分で歯科治療は苦痛との戦いであったことが想像されます
 
足踏みエンジンが中央に。
 
診療台が2台設置されているようです
 
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待合室であろう写真には床の間に掛け軸があり、柱時計、火鉢の周りには座布団が配置されているようです
 
治療前や治療後のお口の中の確認に使用されていたのでしょうか?鏡台らしきものも柱時計の下に設置されています。
 
当院の裏の高齢の母の自宅にはボタンの彫りが施されている常滑焼(朱泥)の火鉢が数個ありますが、現在では各室にエアコンが設置されていて最近では炭を入れることもなくなりました
 
 
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時代の流れ、科学の進歩により世の中は大きく変化しています
 
歯科医院でもお口の中の精密な試料採取、診断・治療のために歯科用CTを備えているところも多くなりました
 
インプラント治療では数々のリスクの回避のために歯科用CTは必須のものとなっています
 
歯科用ハードレーザーによる治療も一般的になってきているようです
 
根管治療や審美形成外科ではマイクロスコープを使用して治療や仕上がりのの正確性を高く保つことができます
 
お口の型取りにしましても口腔内デジタルスキャナーによりデジタルデータで技工所に送ることができるようになっています
 
すべてにおいて高額な設備投資が必要ですが患者様の利益になるようであれば,設備を備えなけばなりません
 
しかし保険診療では使えない部分があったり、現在までの設備で代替できるものもありますので慎重に採用を進めることも大切であると思います
 
今年も目立たず無理せず背伸びせずでよろしくお願いいたします。
 
久野歯科医院
 
院長
 
久野昌士
 
 
 
 
 
 
 
 
 

開院して116年となりました 常滑市の歯医者 久野歯科医院です

皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお伝えします

上顎左側の著しい顔面腫脹の方が来院されました

 
通常の歯科診療をしていた平日の水曜日の午後、急患で新規の患者様からお電話をいただきました。
 
痛みがあり腫れがひかないとの事、痛みがあり、腫れがひどいので予約の患者様の間に診察を受け入れました。
 
年齢は72歳の女性でお薬手帳を拝見しますと耳鼻科でメニエル病のために受診履歴があるほかは目立った既往歴はなく、特筆すべき全身疾患はありませんでした。お嬢様の引率がありました。
 
体温を測ると37.7度で発熱があり、食事がとれていないとお話しくださいました。
 
局所は左側の上方の顔面、目の下まで腫れが広がっておりました。
 
お口の中を拝見しますと犬歯を含む片側の前歯群はなく、腫れの原因歯は上顎左側第1小臼歯であると判断しました。
 
レントゲン写真では根管処置がしてあり、慢性の根端病巣はみられませんでした。
 
患者様に状態の説明とこれから行う処置について説明の後、腫れているお口の中の周辺部に十分局所麻酔を行い、切開し排膿を試みます
 
上顎のお口の中の外側には気をつける大きな神経や血管はありません
 
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切開後膿性・血性の排膿が多くありました
 
多くの量の生理食塩水を用いて膿を洗い流します
 
その後、排膿路(ドレナージルート)の確保のために切開した部位に短冊上にしたガーゼを入れました
 
その後、今日の術後の注意と飲んでいただきたい抗生剤と鎮痛剤の説明をいたしました
 
充分な水分と栄養の補給もお願いしました
 
翌日は当院は休診日でしたが、状態の確認、ガーゼの除去と洗浄のために来院いただきました。
 
熱は平熱に下がり腫れもやや減少しました
 
1週間後にはすっかり腫れがひきました
 
その後、今回の腫れの原因と治療の必要性を説明しました
 
鬼手仏心
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今回のような多くの急性炎症で切開排膿を行うときにはいつも「鬼手仏心」という言葉が浮かんできます
 
鬼手仏心とは見た目は情け容赦ないようだが実は相手のためを思う意向に発することとあり、体にメスを入れ一見、残酷な手術も患者様を苦痛から解放する心のことをいいます。
 
多くの外科医のお医者様は必ず念頭に置いている言葉だと思いますし、歯科は医学領域では外科系の科目ですので、口腔外科医の歯科医は座右の銘にしておられる方も多くいると思います
 
慈心妙手
 
医学で使われる言葉に「慈心妙手」という言葉もあります
 
慈心妙手とは明治時代の慈恵会医科大学の産婦人科医の樋口繁次先生のお言葉で患者に対して慈しむ心を持ち、優れた技術で物事に対応するようにという意味があります
 
急性炎症を抑えて痛みや腫れを取り除き、その後の処置には患者様を慈しみ、最高の技術で治療にあたることは歯科医としてもとても大切なことの一つです
 
 
 
本当のかかりつけ歯科医とは
 
最近では「かかりつけ医」を持つように言われていますが、それと同様に「かかりつけ歯科医」という言葉も使われることが多くあります
 
私が考える「かかりつけ歯科医」とは平時のお口の健康の維持・回復のお手伝いを行うとともに、たとえ患者様の予約で診療時間がとれなくても、痛みの激しい方や腫れが強く体調の優れない方には時間をつくって対応することもかかりつけ歯科医の大きな役目のひとつであると思います。
 
今日来院された患者様は金属床のノンクラスプ義歯を手にお持ちでした。
 
患者様はどうして入れ歯をつくられた歯医者にいかなかったのでしょうか?
 
ノンクラスプの入れ歯をつくった歯医者には何か理由があったと思いますが、お嬢様曰く電話したが診ることができないといわれたそうです。
 
その歯科医は今日いらした急患の患者様にとって本当の「かかりつけの歯科医」ではないと思いますが・・・
 
 
 
今年もあとわずかとなりました。
 
年末年始は行事も多く、ストレスのかかる場面がおおくあります。
 
体調の変化がお口の中のむし歯の痛みや歯周病の急性発作となって現れることも考えられます。
 
お口の中のトラブルが生じたら早めの来院と早めの処置をお願いします
 
 
久野歯科医院  院長
 
久野昌士
 

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