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常滑で116年の歴史のある歯医者 久野歯科医院です
 
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
 

オールセラミッククラウンで上顎6前歯を修復したK.A様の治療報告

 
患者様の概要
 
K.A様は上顎の犬歯から犬歯までの前歯の見栄えが悪いことを主訴に来院されました。
 
現症は歯と歯ぐきの境目の縁が下がり、2次むし歯(2次カリエス)の部位もみうけられます。
 
お話をお伺いすると最初に高校卒業時にやや反対咬合であったものを正常なかみ合わせにするためにお近くの歯医者さんで前歯を修復したとのこと。
 
当時主流であった陶材焼付け冠(セラモメタルクラウン)で修復されたようです。
 
その後、ご結婚され、側切歯と中切歯の4歯を再治療されました。
 
再治療から28年が経過しているようです。
 
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処置方針
 
基本的な検査の結果、歯周病も軽症の歯肉炎がある程度で奥歯にもむし歯がなく、かみ合せも安定しているため、歯肉炎の治療と並行して前歯の再治療を行なうことといたしました。
 
治療経過1
 
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今までのオールセラミッククラウン、セラモメタルクラウンを1歯づつ取り外して歯肉と歯の縁をあわせた仮歯をいれていきます。
 
歯肉が退縮(さがって)して歯の縁をあわせているため、歯が長く感ぜられ、審美的にはよい状態ではありません
 
1歯づつ、むし歯がないか、むし歯が進行していないか診査を行い、2次むし歯があれば丁寧にむし歯の部分を取り除きます
 
犬歯から犬歯までの6前歯、すべての歯のむし歯の治療が終わった時点で、仮歯を全体の歯の形をバランスの良いものに変えていきます。
 
併せてセルフケアの指導とともに歯周病の治療をすすめます。
 
必要があれば何度も仮歯の形を変えて作り直しをします。
 
歯肉の安定していることもとても大切です。
 
歯肉の状態の良し悪しの判断で歯ぐきの経年的な下がり具合が変わってきます。
 
治療経過2
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6前歯を1歯づつ歯肉に近い辺縁をあわせ、歯の形を修正しながら最終の被せ物に歯の色と材質以外を除いて近づけていきます
 
治療経過 3
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KA様は最初の上顎前歯の修復から長期間、再治療の上顎前歯の修復から28年の年月が経過しています。
 
本来ならばご本人の加齢を考慮すれば,明度を低く,彩度を高くし色相はオレンジ、黄色系統で歯冠色を技工士(テクニシャン)の方に指示を出すのが通例だと思いますが、ここではアンチエイジングの観点から、ご本人の希望もあり、歯冠色を白くすることにいたしました。
 
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今後は下顎前歯のステイン、着色等を取り除き口腔ケアのモチベーションを高め、長期の修復物の維持に努める予定です
 
 
 
 

常滑で開院116年の歴史ある歯医者 久野歯科医院です

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前歯の1歯の入れ歯は審美的にも機能的にも満足を得るのが難しい

患者様の概要
前歯の入れ歯についてご相談の患者様が来院されました
 
前歯の部分入れ歯が、はずれやすいことが主訴でした。
 
前歯のみの部分入れ歯は一般的にはずれやすく、また異物感がでやすく、歯のない隣の歯に支えを求めるクラスプという「バネ」が必要で審美的に劣るため治療を担当する歯医者も、治療を受けられる患者様にとっても多方面で取り扱いのよくない入れ歯のひとつに上げられます
 
歯を失った原因は歯根破切によるポスト部分の脱落で歯のない部分の片方の歯は前装冠が装着され、もう片方の歯はむし歯のない健全な歯となっておりました。
 
レントゲン撮影を行いレントゲン写真を見てみますと前装冠のほうは歯根がやや短いことがわかりました。
 
ポストタイプのメタルコアに前装冠が装着されております。
 
患者様にはブリッジタイプの固定式の入れ歯を何故受け入れていただけなかったのか。その理由をお尋ねしました
 
「前装冠ははずしたくないし、むし歯のない歯はできればけずりたくない」とのことでした。
 
処置方針
 
患者様には
 
・長期の確実な予後は望めない
 
・一般的な修復より強度的に劣る
 
・食べかすが部位に残るのでさらなるセルフケアが必要である
 
・あくまでも一時的な処置である
 
などの短所と
 
・左右の歯をほとんどけずらない
 
・取り外しのわずらわしさはない
 
・歯のない両隣の歯にバネがないので部分入れ歯に比べ自然観はある
 
などの長所を説明してプラスティックの人工歯を両隣の歯に接着技法にて、つけることにしました
 
治療経過
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欠損部位の両隣の歯に酸処理、表面処理を行い、接着力のつよい樹脂系の接着剤でプラスティックの人工歯を接着します
 
歯周病の基本検査を行い中等度以上の歯周病に罹患されておりましたので歯周病の基本治療を継続しながら、安定的な経過を観察することにしました
 
現在のところ1年5ヶ月ほど、はずれずに経過しています。
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 
常滑市の歯医者 久野歯科医院です
 
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
 
咽頭がんについて
 
咽頭はお口(口腔)と食道を結ぶ位置にあり、消化管の一部を形成していますが、鼻腔と喉頭とを結ぶ気道の一部として機能しています
 
咽頭に発生するがんは部位によって上、中、下の咽頭がんに分けられます
 
上咽頭がんは上壁の頭蓋底、後壁、耳管開口部の側壁に発生します
 
中咽頭がんの多くは口蓋扁桃に発生し軟口蓋の上壁や側壁(口蓋弓)、後壁の発生は少数です。
 
中咽頭は口腔内から一部分を見ることができ、歯科と耳鼻科領域と重なります
 
また下咽頭がんは、梨状陥没、輪状軟骨の後面や下咽頭の後壁に発生します
 
咽頭がん、喉頭がんは頭頚部外科で診察・処置がおこなわれます
 
咽頭がんの症状
 
中・下咽頭がんの初期症状は咽頭の異物感がみられます
 
その後、潰瘍が形成されると咽頭痛や嚥下痛、耳の放散痛、唾液の分泌過多などが現れてきます
 
咽頭がんの診断
 
原因不明の頚部のリンパ節の腫脹や消化管の内視鏡の検査中の観察などで発見されることもあります。
 
診断には消化管の生検と同様に内視鏡にて生検がおこなわれ病理組織により確定診断がくだされます
 
早期に発見されれば,食道や胃と同様に内視鏡による治療が可能です。
 
発見が遅れれば他のがんと同様に命をおびやかすことになります。
 
原因不明の首のリンパ節の腫れや飲み込むときの痛み、唾液が異常に多く出るなどの症状があれば街の耳鼻科や歯科から頭頚部外科へ紹介できます
 
消化管の入り口のお口から出口の肛門までの定期健診は同等に軽んずることなく、とても大切です
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 

目立たず無理せず背伸びせず 常滑市の歯医者 久野歯科医院です

2023年9月で久野歯科医院は開院116年となりました

 
このように歯科医療に長く携わって来られたのは当院を信頼してご来院いただいた患者様方のおかげであると思っております。
 
今回、当院の照明をすべてLEDへの変更をお願いしたりネット環境の整備や警備について電気関係でお世話になっている,野田電化センターのご主人様より当院の貴重な写真資料をいただきました。
 
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出展は大正4年発行の「愛知県知多郡西海岸写真帳」に載っているもので、久野歯科医院の治療室と待合室の室内写真と私の祖父の久野儀三の写真が載っております
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歯医者の黎明期の写真で当時の様子がよくわかるものです
 
歯を切削する器械はもちろん電動のものではなく足踏みのもので、局所麻酔も不十分で歯科治療は苦痛との戦いであったことが想像されます
 
足踏みエンジンが中央に。
 
診療台が2台設置されているようです
 
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待合室であろう写真には床の間に掛け軸があり、柱時計、火鉢の周りには座布団が配置されているようです
 
治療前や治療後のお口の中の確認に使用されていたのでしょうか?鏡台らしきものも柱時計の下に設置されています。
 
当院の裏の高齢の母の自宅にはボタンの彫りが施されている常滑焼(朱泥)の火鉢が数個ありますが、現在では各室にエアコンが設置されていて最近では炭を入れることもなくなりました
 
 
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時代の流れ、科学の進歩により世の中は大きく変化しています
 
歯科医院でもお口の中の精密な試料採取、診断・治療のために歯科用CTを備えているところも多くなりました
 
インプラント治療では数々のリスクの回避のために歯科用CTは必須のものとなっています
 
歯科用ハードレーザーによる治療も一般的になってきているようです
 
根管治療や審美形成外科ではマイクロスコープを使用して治療や仕上がりのの正確性を高く保つことができます
 
お口の型取りにしましても口腔内デジタルスキャナーによりデジタルデータで技工所に送ることができるようになっています
 
すべてにおいて高額な設備投資が必要ですが患者様の利益になるようであれば,設備を備えなけばなりません
 
しかし保険診療では使えない部分があったり、現在までの設備で代替できるものもありますので慎重に採用を進めることも大切であると思います
 
今年も目立たず無理せず背伸びせずでよろしくお願いいたします。
 
久野歯科医院
 
院長
 
久野昌士
 
 
 
 
 
 
 
 
 

開院して116年となりました 常滑市の歯医者 久野歯科医院です

皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお伝えします

上顎左側の著しい顔面腫脹の方が来院されました

 
通常の歯科診療をしていた平日の水曜日の午後、急患で新規の患者様からお電話をいただきました。
 
痛みがあり腫れがひかないとの事、痛みがあり、腫れがひどいので予約の患者様の間に診察を受け入れました。
 
年齢は72歳の女性でお薬手帳を拝見しますと耳鼻科でメニエル病のために受診履歴があるほかは目立った既往歴はなく、特筆すべき全身疾患はありませんでした。お嬢様の引率がありました。
 
体温を測ると37.7度で発熱があり、食事がとれていないとお話しくださいました。
 
局所は左側の上方の顔面、目の下まで腫れが広がっておりました。
 
お口の中を拝見しますと犬歯を含む片側の前歯群はなく、腫れの原因歯は上顎左側第1小臼歯であると判断しました。
 
レントゲン写真では根管処置がしてあり、慢性の根端病巣はみられませんでした。
 
患者様に状態の説明とこれから行う処置について説明の後、腫れているお口の中の周辺部に十分局所麻酔を行い、切開し排膿を試みます
 
上顎のお口の中の外側には気をつける大きな神経や血管はありません
 
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切開後膿性・血性の排膿が多くありました
 
多くの量の生理食塩水を用いて膿を洗い流します
 
その後、排膿路(ドレナージルート)の確保のために切開した部位に短冊上にしたガーゼを入れました
 
その後、今日の術後の注意と飲んでいただきたい抗生剤と鎮痛剤の説明をいたしました
 
充分な水分と栄養の補給もお願いしました
 
翌日は当院は休診日でしたが、状態の確認、ガーゼの除去と洗浄のために来院いただきました。
 
熱は平熱に下がり腫れもやや減少しました
 
1週間後にはすっかり腫れがひきました
 
その後、今回の腫れの原因と治療の必要性を説明しました
 
鬼手仏心
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今回のような多くの急性炎症で切開排膿を行うときにはいつも「鬼手仏心」という言葉が浮かんできます
 
鬼手仏心とは見た目は情け容赦ないようだが実は相手のためを思う意向に発することとあり、体にメスを入れ一見、残酷な手術も患者様を苦痛から解放する心のことをいいます。
 
多くの外科医のお医者様は必ず念頭に置いている言葉だと思いますし、歯科は医学領域では外科系の科目ですので、口腔外科医の歯科医は座右の銘にしておられる方も多くいると思います
 
慈心妙手
 
医学で使われる言葉に「慈心妙手」という言葉もあります
 
慈心妙手とは明治時代の慈恵会医科大学の産婦人科医の樋口繁次先生のお言葉で患者に対して慈しむ心を持ち、優れた技術で物事に対応するようにという意味があります
 
急性炎症を抑えて痛みや腫れを取り除き、その後の処置には患者様を慈しみ、最高の技術で治療にあたることは歯科医としてもとても大切なことの一つです
 
 
 
本当のかかりつけ歯科医とは
 
最近では「かかりつけ医」を持つように言われていますが、それと同様に「かかりつけ歯科医」という言葉も使われることが多くあります
 
私が考える「かかりつけ歯科医」とは平時のお口の健康の維持・回復のお手伝いを行うとともに、たとえ患者様の予約で診療時間がとれなくても、痛みの激しい方や腫れが強く体調の優れない方には時間をつくって対応することもかかりつけ歯科医の大きな役目のひとつであると思います。
 
今日来院された患者様は金属床のノンクラスプ義歯を手にお持ちでした。
 
患者様はどうして入れ歯をつくられた歯医者にいかなかったのでしょうか?
 
ノンクラスプの入れ歯をつくった歯医者には何か理由があったと思いますが、お嬢様曰く電話したが診ることができないといわれたそうです。
 
その歯科医は今日いらした急患の患者様にとって本当の「かかりつけの歯科医」ではないと思いますが・・・
 
 
 
今年もあとわずかとなりました。
 
年末年始は行事も多く、ストレスのかかる場面がおおくあります。
 
体調の変化がお口の中のむし歯の痛みや歯周病の急性発作となって現れることも考えられます。
 
お口の中のトラブルが生じたら早めの来院と早めの処置をお願いします
 
 
久野歯科医院  院長
 
久野昌士
 
常滑の歯医者 久野歯科医院です
 
皆様に役に立つ矯正歯科の情報をわかりやすくお知らせします
 
歯列矯正での抜歯について
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歯を適正な位置に移動させるためのスペースの不足を補う方法の一つに抜歯があります
 
抜歯部位はほとんどが第1小臼歯か第2小臼歯です
 
上下顎前突の場合には一般的には上下の第Ⅰ小臼歯の4歯を抜歯して抜いたスペースを利用して前歯列を後方に移動させて、口元の緊張を改善します。
 
上顎前突の場合には上顎の第Ⅰ小臼歯の2歯を抜歯していわゆる「2級仕上がり」で臼歯関係を治療する場合もあります。
 
その場合でも犬歯関係は1級で咬み合わせは1歯対2歯の関係は保たれるように治療します
 
叢生、八重歯の場合にはやはり、上下の第Ⅰ小臼歯の4歯を抜歯して抜いたスペースを利用して叢生や八重歯を治療します
 
第一小臼歯を抜歯する理由には叢生や八重歯の不正のある前歯に隣り合っていることや、上顎の前歯を後方に移動するには移動が効果的で抜歯スペースを確実に利用できること、かみ合わせに重要な臼歯群と前歯群の移行的な形をしていることなどがあげられます。
 
見かけの歯のかみ合わせと顎の安定的な位置とズレがあり顎が後方に移動する場合には大臼歯の安定的なかみ合わせを確立させるために第2小臼歯を抜歯することもあります
 
叢生や八重歯の場合は歯列不正の程度により抜歯を行なわず治療できる可能性もありますので、しっかりとした診断が必要です。
 
歯を抜くメリット
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歯を抜かずに矯正歯科治療ができるには越したことはありませんが、患者様には矯正歯科治療を受ける際に抜歯することによる利益(ベネフィット)と不利益(リスク)を考え、利益の方が多ければ抜歯して治療する事を考えていただいてもよいのではないでしょうか
 
・抜歯を行い治療する事で突出していた上下顎の前歯が後方に移動し正しい位置に改善されることで口が簡単に閉じられるようになり口呼吸が防止できる
 
細菌ウイルスなどの病原体は口から体内に侵入します。口呼吸は万病の元です。
 
・また口呼吸しなくなることで口腔乾燥状態がなくなり口臭の発生が予防できる
 
・口元の緊張がなくなり横顔が美しく改善される
 
・八重歯であれば、抜歯を行い治療する事でブラッシングが簡単に効率よく確実に行なうことができ歯と歯の間のプラークコントロールが簡単にできるようになるとむし歯の発生が抑制できて歯周病が予防できる。
 
・プラークの取り残しがなくなれば、口臭の発生も少なくできる
 
歯並びがガタガタであったり歯列に不正があれば現在はむし歯がなく、歯肉炎程度の歯周病であっても確実にむし歯が発生し、その後むし歯の治療を行ない、その結果大きく歯質を失って歯冠修復しても不正な歯の位置は変えることができず、将来、歯周病が進行し歯を失う大きな原因となります。
 
抜歯を行ない矯正歯科治療を行なうことで、将来的に歯を失う確率を低くできます
 
条件の悪い歯の抜歯を優先
 
抜歯の対象となる歯は第Ⅰ小臼歯や第2小臼歯が多いのですが、歯の生えている場所が極端に違っていたり、むし歯により歯の根の治療や大きく修復されている歯がある場合には処置方針を十分検討し可能であれば、その歯を抜歯することもあります。
 
異所萌出や矮小歯、埋伏している過剰歯なども抜歯の対象になります。
 
他にまれですが
 
・上顎犬歯の歯列弓から外側への突出があり側切歯と第1小臼歯のに隙間がない場合
 
・側切歯が矮小歯でその抜歯スペースが有効に使える場合
 
・部分矯正で下顎前歯が舌側転位(唇側転位)している場合(前歯が3歯になるので正中は合わなくなります)
 
などが考えられます
 
利用できれば歯は安易には抜かない
 
また、正常に歯が萌出していない埋伏している歯でも治療に必要があり利用可能であれば開窓という処置を行い、埋まっている歯をひっぱりだす(牽引)ことも考えます。
 
親知らずが利用可能であれば抜歯せずに利用することも考えます。
 
無理な非抜歯の治療は治療後のリラップスの心配や側貌の改善が望めないケースも出てくる可能性があります
 
矯正治療を担当する歯科医は抜歯というものを決して安易には考えていないことをご理解ください
 
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久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 
 
目立たず無理せず背伸びせずの常滑市の歯医者 久野歯科医院です
 
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てんかんと歯科治療について

 
てんかんについて
 
突然意識を失って反応がなくなったり、痙攣が起こったりします(てんかん発作)
 
てんかんは100人中1人に発症する疾患で特別に珍しい疾患ではありません
 

てんかんの種類

 
突発性てんかん
 
一般的なてんかんはこの突発性てんかんのことをいいます
 
原因は不明です
 
症候性てんかん
 
脳梗塞や脳出血などに見られるてんかんで脳血管疾患の後遺症としてもあらわれます
 
抗てんかん薬のデパゲン(バレリン)は動作を緩慢にする副作用がありますので、患者様を担当する医師で見解が異なることもあり、脳外科の先生や神経内科の先生が対応します
 

歯科治療について

 
 
突発性のてんかんについて、お薬による治療がなされ、コントロールができている場合には全く問題なく歯科の治療ができます
 
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しかし、てんかんの既往のない方でも歯科治療を受ける際には緊張するものです。
 
てんかんの既往のない方以上に配慮して治療を行なうようにこころがけます。
 
女性の場合は生理の時期には肉体的にも精神的にも不安定な状態です。
 
てんかんのある患者様は、よりいっそうの注意をして歯科治療をおこないます
 
光刺激にも敏感になりますので歯科で使用される無影灯の光が不用意に眼に入ることなく、点灯や消灯を繰り返さないように注意して眼はタオルにて覆うようにして歯科治療を行ないます
 
抗てんかん薬には歯肉が増殖(腫れる)副作用のある場合が多く認められます。
 
ブラッシングなどのセルフケアとツースクリーニングなどのプロフェッショナルケアを丁寧におこなうことで歯肉の増殖をおさえます。
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 
目立たず無理せず背伸びせず
 
患者様の体に優しい歯科治療に努めています 常滑・知多市の歯科 久野歯科医院です
 

金属床の総入れ歯について

 
総入れ歯の金属床ってほんとにいいんですか?と患者様からおたずねがありました
 
私からは金属床の総義歯を基本的には患者さまにはあまりおすすめしません
 
金属床の良い点と悪い点
 
・金属床は、金属を使用するので強度の点で優れています。
 
・金属は薄くできるので違和感を軽減します
 
しかし金属床は
 
思っているほどは長持ちをしません
 
・細やかな調整と修理が必要です
 
金属床の種類について
 
よくゴールドの金属床の紹介がされている場合がありますが、とても重いです
 
重量感は手に取ればすぐにわかります。
 
ゴールドは延性、展性に優れているので薄くすることができますが、軟らかく変形しやすいのです簡単に指の力で形が変わります
 
確かにチタン床は軽いですが精度が落ちます
 
精度が落ちればやはり吸着が甘くなります
 
金属床に多く使用されるコバルトクロム床でも経年的にゆるくなって上の入れ歯がはずやすくなり、したにはずれて落ちてきます
 
少なくとも私のつくった金属床の総義歯の入れ歯は吸着の面でレジン床に劣ります
 
金属床で吸着のよいものはレジン床ではもっと吸着がよくなります
 
ときに金属床の後縁をレジンで作ってあるものが見受けられます
 
なぜでしょう?
 
それは入れ歯が外れにくくする吸着をよくするために工夫がされているのものです
 
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上顎総義歯の吸着のキーポイントの一つに後縁の位置、状態などがあげられます
 
後縁をレジンで処理すれば吸着はよくなるかもしれませんが金属床の利点は大きく後退することになると思います
 
患者様はどのようにお思いでしょうか?
 
団子や餅が口蓋の金属部分に張り付くという苦情も聞くことがありました
 
入れ歯を長く使用していただくために
 
顎は経年的に変化します
 
長く入れ歯を使用していると顎が変化することにより、ゆるくなったり食べかすが内面に多く侵入してきて不快感が増してきます
 
顎と床の適合を図る為には顎と床との隙間を埋める処置(リライン、リベース)が必要です。
 
その時点で金属で覆われた口蓋は、ほとんどレジンに置き換わることが多いです
 
ちなみに、口蓋部は変化の少ない部位であるので裏打ちは必要がないといわれていますが・・・。
 
リラインが行なわれると吸着が非常によくなります
 
金属床の顔をしたレジン床の入れ歯の出来上がりです
 
その時点で患者様はレジン床となった自分の総入れ歯に違和感を感じません
 
現在では接着技術の進歩により特別な処理と材料により金属とレジンは接着しますが十分な接着まだまだ期待できません。
 
金属床は修理がしにくいのです
 
また超高齢化のすすんだ現在、口腔機能の低下がすすんでくると舌圧が低下してきます
 
使用している義歯を使用して、舌接触補助床を調製します
 
その時にも金属床はレジン床より調整修正がしにくく取り扱いに、てまどることにもなるでしょう
 
私は自費の総義歯が悪いといっているのではありません
 
保険治療では利用できない人工歯の使用や顔面と口角の傾きから前歯歯列の自然観を再現すること、歯肉の年齢相応あるいはアンチエイジングを考えた色彩、歯の色、歯肉の毛細血管までも再現されたレジン部分等、咀嚼機能と共に自費治療の総義歯が優れていることに間違いはありません。
 
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私の個人的な意見で恐縮ですが上顎総義歯の金属床の調製については、よく担当の歯医者と相談することが大切だと考えます
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 

目立たず無理せず背伸びせず 常滑市の久野歯科医院です

非定型歯痛と思われる患者様が来院

 
患者様の概要
 
最初にお話を伺うと、上顎右側第2大臼歯に痛みを訴え歯科医院で検査を受けましたが、むし歯や歯周病の所見は見当たらないとのこと。
 
その後痛みが止まらないため歯にひびが入って、亀裂が歯髄にまで及んでいる可能性を説明され歯髄処置が行われました。
 
鎮痛剤を使用しましたが、痛みは止まらず抜歯に至ったようでした。
 
その後も今度は第1大臼歯にじわじわと痛みが出て、我慢をしている。
 
食事は普通にできているそうですが、痛み止めを使用してもほとんど効かないようでした。
 
お話の後、レントゲン撮影を行い、歯周病の検査、打診、粘膜部の圧痛の有無を確認しましたが異常な反応はありません。
 
全顎対応のレントゲンでは副鼻腔(上顎洞)にも炎症は見られず、鼻づまりもありません
 
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診断
 
痛みの様子と経過から非定型歯痛と診断しました
 
患者様には
 
・局所に痛みの発生する原因が見当たらない
 
・痛みには末梢性の痛みと中枢性の痛みがあること
 
・鎮痛剤が効かないのは中枢性の痛みの可能性があり、脳からの指令によって痛みが発生している可能性があること
 
・中枢性の痛みには脳の指令を整わせる薬が効果的であること
 
・脳の指令を整わせる薬はうつ病の治療に使用されていこと
 
・脳科学の進歩によりうつ病は脳からの指令の乱れから発症していることがわかってきている
 
をお話ししました
 
治療
 
薬物療法が中心になります
 
患者様は使用する薬が「うつ病の薬」だと思い、薬を中断してしまう危険があります
 
中枢性の痛みにはうつ病に使用されている薬が効果があることをしっかりと説明しました
 
薬物療法ではある疾患に使用されていた今までにあった薬が他の疾患に使用され有用であることがよくあります
 
 
例えば葉酸拮抗剤は抗がん剤として使用されますが現在では関節リウマチのアンカードラッグとしてなくてはならないものになっています。
 
同じくリウマチで使用されている生物学製剤のアクテムラ(トシリズマブ)は新型コロナウイルス感染症の重症例にステロイドとともに使用されています
 
また過去に妊娠中使用されて強い催奇性があり、問題となったサリドマイドは現在、多発性骨髄腫の治療薬として再評価されています
 
帯状疱疹の後遺症で現れる強い神経痛にはいわゆるうつ病に使用される3環形の抗うつ剤が使われています
 
非定型歯痛で使用される3環形抗うつ薬は最近で歯科医師でも処方できるようになりましたが、多くの経験が必要で副作用のコントロールが大切です
 
一般の歯科医にはまだまだ取り扱いに慎重にならなければなりません
 
また非定型歯痛のすべての患者様に効果があるとは言い切れない部分もあります
 
この患者様は非定型歯痛の理解の深い心療内科の先生に紹介いたしました
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 

身体に負担の少ない歯科治療に努めています 常滑の歯医者 久野歯科医院です

皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします

潰瘍性大腸炎と歯周病の関係について

 
当院にも潰瘍性大腸炎のコントロールのために口腔内管理をしている患者様がおみえになります。
 
潰瘍性大腸炎とは
 
潰瘍性大腸炎とは大腸の内側の粘膜に炎症が起きて、ただれて潰瘍ができる病気で難病に指定されています
 
潰瘍性大腸炎の主症状
 
症状は大腸に炎症が起きることで腹痛や下痢、便に血が混じるなどがあり、繰り返し起こります。
 
体重の減少や倦怠感、発熱、貧血などがあらわれます
 
潰瘍性大腸炎の治療
 
治療には抗炎症薬、ステロイド、免疫抑制剤が使用されます
 
またリウマチに使用される生物学製剤の「レミケード」も潰瘍性大腸炎には効果を発揮します。
 
リウマチの治療に使われる生物学製剤は免疫機能に関係してはたらくもので、リウマチ治療に開発された生物学製剤の「アクテムラ」は新型コロナウイルス感染症の治療薬にもなっています
 
歯科と潰瘍性大腸炎との関係
 
治療薬の影響で口腔内の乾燥が起こり、歯周病の悪化の可能性が高くなります
 
口内炎がよくできます
 
CIMG1535.JPG
 
上の写真は右上の第2大臼歯が原因の頬にできている口内炎です。
 
第2大臼歯の形態修正で治りかけています
 
歯に位置が異常であったり、強いかみしめ、低位舌、修復物の不適合などが簡単に口内炎のできる原因になります。
 
CIMG2027.JPG
 
上の写真は低位舌、強いかみ締めによる舌圧痕ができています
 
第1大臼歯の舌側の部位が原因で非常に深い潰瘍が舌側縁にできています
 
舌側縁にできる口内炎は舌がんなどとの鑑別が必要になってきます
 
 
久野歯科医院 院長
 
久野昌士
 
 

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